
こうした悩みにお答えします。
EVM互換性とは、EVM(Ethereum Virtual Machine)のことで、イーサリアムでコントラクトコードを実行するために開発された仮想マシンのことです。
ただ、これだけじゃ理解が難しいですよね…。そんな方のために、本記事では以下の点をIT知識がゼロでもわかるようになるべくまとめていきます。
本記事の内容
- EVM互換性とは
- EVM互換性のメリット
- EVM互換性のトレンド
そもそもブロックチェーンってなに?という方は、こちらでざっくりとした内容をまとめていますのでよかったら参考にしてみてくださいね。
なお、Web3に興味のある方、Web3関連の情報収集を効率化したい方に向け、話題のプロジェクトやトピックを無料のニュースレター(メルマガ)でやさしく解説しています。毎週水曜日朝6時に配信しておりますので、情報収集にぜひお役立てください。クリプトを楽しみながら一緒に学習していきましょう。
EVM互換性とは
EVMとは、イーサリアム上でスマートコントラクトなどのコードを実行するために開発された仮想マシンのことで、Solidityなどのプログラミング言語で記述されたコードが実行されます。
ものすごくかんたんにいうと、「EVMとはイーサリアムにあるプログラムを動かしているプログラムのこと」です。
「EVM互換性ある」とは、EVMとの互換性(相互のやりとりができるようになること)を持つことで、イーサリアム上のアプリやライブラリ(コンピューターが活用できるファイルの集まり)を利用することができ、プロジェクトの拡大や連携に役立てることができる、ということになります。
具体例は、イーサリアムで動いていたUniswapの性能をもった、BSCのPancakeSwapを思い浮かべるといいと思います。
BSCはEVM互換性があるので、イーサリアムのEVMで稼働していたUniSwapのコントラクトコードのライブラリや開発ツールを利用することができます。
いちからBSCにDeFiプロトコルを構築するのはとても大変ですが、他のライブラリを活用して開発することができれば、スケールできるスピードや負担が軽減できます。これは開発側のアドバンテージです。
ユーザー側は、EVM互換性のあるブロックチェーンに、イーサリアムのERC-20トークンをストレスなく保有することができます。ガス代の高騰していたイーサリアムでの利用を避け、他のブロックチェーンを利用してDeFiを利用したいユーザーにもシームレスな体験を提供できます。これらが、ユーザー側にとってEVM互換性があることが好まれた点です。
それでは、具体的にEVM互換性にどのようなメリットがあるのか、まとめて理解しておきましょう。
EVM互換性のメリット
EVM互換性のメリットまとめていきます。
EVM互換性のメリット
- イーサリアムの開発ツールやライブラリが利用できる
- UXの維持
総合すると、開発も移植も楽で、ユーザーも移行しやすい、ということです。
BSCが人気になったのもこのEVM互換性があったからこそである、いうこともできます。もちろんすばらしいプロジェクトなのですが、イーサリアムを主戦場にしていたユーザーを一気に飲み込んでしまったのは事実でしょう。
The top 3 #DeFi projects ranked by TVL:@Uniswap - $8.17B@AaveAave - $8.11B@PancakeSwap - $6.55B
Check out DeFi rankings for more info: https://t.co/FebMXab25B pic.twitter.com/5U9tyGvJtA
— DappRadar (@DappRadar) July 15, 2021
参考:EVM互換性のあるブロックチェーン
- Binance Smart Chain(BSC):EVM
- Tomochain(TOMO):EVM
- Houbi ECO Chain(HECO):EVM
- Harmony(ONE):EVM
- Polygon(MATIC):EVM
- Avalanche(AVAX):EVM
- FANTOM(FTM):EVM
EVM互換性のトレンド
EVM互換性には、EVMのデメリットである、ガスの制約がかかり完了できる数に制限があります。プロジェクトの開発に制限がかかってしまう可能性があるということですね。
とはいえ、さまざまなDEX(Decentralized Exchange分散型取引所)などが、マルチチェーンで運用されるようになっています。
DEXの多くは機能を拡充していますが、そのほとんどはイーサリアムで実装されたアプリケーションの機能を移植していることがあります。レンディング機能やAMM機能、ステーキング機能はまさにそうです。
マルチチェーンであろうと、シングルチェーンであろうと、新興ブロックチェーンにとってはもっとも「ユーザーを増やしたい」、「流通高を増やしたい」ということが命題になります。
これはスケーラビリティに直結するからですね。しかし、イーサリアムもアップグレードにより、これまで抱えていたガス代やトランザクションのスピードなどの問題解消に取り組んでいます。
ブロックチェーンが乱立する現在の状況では、開発スピードに軍配が上がりEVM互換性を前提としたプロジェクトが多くなりますが、イーサリアムの性能や差別化という意味では、独自の進化を遂げているブロックチェーンが今後出てきても不思議ではありません。
イーサリアムの技術開発動向と他のブロックチェーンの動向を今後も追っていきたいと思います。
