Alpaca Financeにて、BTCBとETHの単体のレンディングができるようになりました。
AlpacaFinanceとは、TVLが11億ドル(2021年5月現在)以上を誇るBSCでもわりと大きいレンディング、ファーミングプロトコルです。
公式サイトを確認したところ、各APYは10%前後といったところです。アルパカが多くのプロジェクトでのファーミングに活用されているのは「オラクルガード」というものが導入されており、悪意のある価格操作が防がれていることが理由の1つです。
https://docs.alpacafinance.org/our-protocol-1/oracle-guard
今回は、そんなAlpaca Financeで追加されたファーミングを「別の」プロトコルを活用して効率よく運用する方法を紹介します。
紹介するのは「Growing.Fi」です。
Growing.Fiの魅力は端的にいって、「イールドアグリゲーター機能+使いやすいポートフォリオ管理」です。
どちらも優秀なので、実際の利用方法を解説していきます。
本記事の内容
- Alpaca Financeのメリット【オラクルガード】
- Growing.Fiでのファーミング方法
- 1$GROWは持っておくべき理由
- Growing.FiとAlpaca Financeがおすすめな理由
本記事のオーサー

目次
Alpaca Financeのメリット【オラクルガード】
繰り返しになりますが、Alpca Financeのレンディングには「オラクルガード」がしかれています。
Venusで起きたような悪意のあるような価格操作などによる事故を防ぐ機能です。
Venus users are #SAFU and the @VenusProtocol update has been published on events that occurred on Thursday. Please read below: https://t.co/7BQYV1Te1B
— Venus (@VenusProtocol) January 14, 2021
オラクルガードの仕組み
- PancakeSwapでの市場価格を検証
- AlpacaFinance独自検証の市場価格の中央値を算出
- 1、2の差が10%以上ある取引をブロックする
1:1の比率を維持しようとするLPは市場価格の変動によって、不利な約定が起きることがあります。これらの取引をオラクルガードによって取引が保護モードになり、フラッシュローン、マージンオーダーといった悪意のある価格操作を防止しています。
オラクルガードのメリット
- 悪意のある価格操作の防止
オラクルガードのデメリット
- ポジション維持の担保の追加ができない
Venusで起こった事件では、2億ドル以上の清算金と1億ドル以上の回収されない不良債権が発生しました。オラクルガードがあればこうしたことが起きていなかったことをAlpacaFinanceは強調しています。
いずれにしても、DeFiが複雑で、ハイリスクであることわかります。Alpaca Financeでは、これらのリスクからできる限りユーザーを保護する技術が組み込まれています。
Growing.Fiでのファーミング方法
さて、ここからは「Growing.Fi」のファーミング方法を紹介していきます。
Growing.Fiとは、もともと「ポートフォリオ管理ツール」として2021年5月から正式にプロジェクトが公開されました。BSCではYeildWatchなどが同様のサービスを提供しており有名です。
スマートコントラクトは、SushiやBunnyなどのミックスで構成されています。
現在、3つの機能が公開されています。
- ダッシュボード
- イールドアグリゲーターファーミング
- IGO(イニシャル”GROW”オファリング)

Growing.Fiダッシュボード
Growing.Fiでは、Alpaca Financeをイールドファーミングの運用先のひとつとして利用し、アグリゲーター機能を提供しています。
Growing.Fiのイールドファーミングの仕組み
- $GROW以外のFarmからの収益の30%が$GROWにプールしているユーザーにWBNBで再分配される
- Farm収益の30%が1$BNB:3$GROWの割合で$GROWが倍率に応じて各プールに分配される
なお、1BNBあたりの$GROWの比率は将来的に変更の可能性があります。
1$GROWは持っておくべき理由
Growing.Fiでのダッシュボード機能には通常の使用のスタンダードとPro機能があります。
Pro機能は1$GROWをGROWプールにステイクすることで利用できるようになります。
Pro機能のメリット
- dBonus(デポジットボーナス)が20%にアップする
- 利回り収益を1.5倍にブーストできる
- ダッシュボードでILの確認ができる
$GROWは発行上限枚数が決まっておらず、1週間あたり1,000GROWが発行され、各Farmに分配されます。
具体例をみていきます。
BTCBのREWARDの”5X”というのは、1週間あたり106.38の$GROWが配布されることを表しています。
さらにその下、dBonus(デポジットボーナス)では、本来であれば1BNBあたり0.001GROWが追加で新規発行され、配布されます。
Proになると2.6x dBonusとなり、0.0026GROWが配布されます。このボーナスはプールの開始直後から徐々に減少していきます。
dBonusでもらえる$GROWは7日間のロックがあります。その前に引き出しを行うと消滅してしまうので注意です。
ちなみに、BSCのBTCB単独ファーミングができる「NervFinance」では、配布されたボーナス分の$NRVの2/3は6ヶ月間ロックされます。
また、1GROWの新規発行に対して0.1GROWが開発チームに配布されます。
Growing.Fiの公式Telegramにて、この$GROWはどのように処理されているのか質問してみたところ、
新規発行 $GROW あたり0.1GROWがDev Fund(開発チーム)に配布される仕組みについて、公式Telegramにて質問してみました。
公式回答ではないですが、フェアローンチであることを根拠に、Devに配布されたGROWはGROWプールに入れられ、WBNBで収益を分配している、とのこと。@GrowingFi #BSC pic.twitter.com/57kL3LCU5W
— ローレンス🗼|仮想通貨とブロックチェーン (@LawrenceTokyo) June 3, 2021
この点においても、Growing.Fiがバランスの良い設計であると感じるポイントですね。
IGOについて
Growing.Fiでは、IDO(Initial DEX Offering)の機能が加わりました。
「Showcase」というNFTマーケットプレイスですが、Pro版であれば先行セールに参加することが可能です。
IGOのポイント
- Pro機能があれば先行セールに参加可能
- 時間経過とともに第3ラウンドまで調達実施
- セールにステイクしたGROWの量に応じて分配される$SHOWトークンが割り当てられる
CryptoPunksのフォークであるCryptoPunks UniverseというNFTを扱うということが公表されています。
CryptoPunks Universeは、オリジナルアバターシリーズであるCryptoPunksのフォークをリマスターしたコレクションとのこと。世界各国のアーティストが、それぞれのスタイルで制作しており出品されています。
OpenSeaなどのオープンマーケットプレイスと競合するNFTマーケットとなるかもしれません。BinanceでもNFTマーケットがローンチ予定ですので、注目しておくべきと考えています。
Alpaca FinanceとGrowing.Fiが優秀な理由:まとめ
今回は、Alpaca FinanceとGrowing.Fiについて、まとめました。
どちらもBSCにおける有力なプロジェクトであることが分かるきっかけになれば嬉しい限りです。
懸念材料としては、Growing.Fi2021年6月時点で未監査であることでしょうか。現在、Certikによる監査進行中です。
しかし、最近のBSCではBunnyをはじめとして、「監査済み」であっても攻撃を受け、資金流出するといったことは起こっています。
あくまでハイリスクであることは監査を受けていようと変わらないということを認識しておくべきでしょう。