
こうした疑問にお答えします。
IRON FinanceのTVLが20億ドルを突破しました。
そこで、IRON Financeの投資をはじめることはできたけど、その後、どのように運用していったらいいか、ということをまとめていきたいと思います。
本記事の内容
- IRONの利回りのカラクリと錬金術
- Aaveを使って手持ちBTCを売らずにUSDCを手に入れる方法
今回は、この点に絞って紹介していきます。
本記事のオーサー

IRONの利回りのカラクリと錬金術
さて、おすすめのLPは「USDC/IRONのペア」です。LP提供先は、SushiSwap、QuickSwapどちらでもOKです。
TITANのLPペアはTITANの価格が上昇しつづけており、ILのリスクが高すぎます。TITANでのLPファーミングはおすすめはしてませんが、高APYなのでOKかな、という気もしています。
USDC/IRONのLPペアをDepositしていれば、APY10万%以上で、何もしなくともTITANをもらうことができます。日利で2%弱は出ていることになります。
100万円をDepositすれば毎日2万円弱のTITANがもらえます。バグってますよね…
IRONの仕組みについては、こちらで解説しています。
リスクについては、こちらの記事を参考にしてください。
このIRONは、USドルが7割ほど担保されているステーブルコインです。USドル:TITANが7:3でミントされることで、IRONが発行されます。
これがDeFiに革命を起こしつつあります。その理由をみていきましょう。
IRONの利回りが上がり続ける理由
TITAN価格が上昇している理由をまとめます。TITANの価格上昇が、IRON Financeでの高利回りに巡り巡ってつながります。
IRONを発行するには、前述の割合のとおり3割程度のTITANが必要です。
- IRONのLPペアが高APYだから欲しい
- IRONを発行するためにTITANを購入する
- TITANはUSDCと合わせてIRONがミントされる
- 市場にあるTITANが減ってTITAN価格が上がる
こうした仕組みでTITAN価格が上昇しています。そして、IRONの利回りにつながります。
- TITANが価格上昇しているからIRONが欲しい
- TITANを購入してIRONをミント
- TITANが市場の供給量が減り価格上昇
- IRON Financeの利回りが上昇
これがループしているのが現状です。ただし、TITANに需要が減る、IRONの需要が減るということが起きれば、逆に利回りは下がり続けます。
下がり続けた末路が、IRONのBSCの状況です。
2つの担保割合と錬金術
TCR:IRON発行時のUSDCが必要な割合
ECR:プロトコル全体のUSDCの担保割合
TCRは裏を返すと、TITANが必要な割合です。現状70%を切っています。僕が手をつけた時は75%だったので、どんどん減少しています。
TCRの減少の意味
- より少ないUSDCでIRONをミントできる
- 0%になるとUSDC無しでTITANのみでIRONをミントできるようになる
TCRが0%ということは、IRONはほぼTITANだけでミントできます。USDC=TITANという図式に移行しているのが理解できればOKです。
もともとただのガバナンストークン兼USDCの混ぜる必要があるだけのTITANが、USドルの代替トークンとして機能する…
そして、TITANからまたTITANが生まれる…
これはもはや「錬金術」と評価する人もいらっしゃいます。以下のツリーは非常に参考になりました。
①さて、そろそろ一部に好評だった錬金術師編 第三話をお届けしよう。今回はこの錬金術の終着点、Goalはどこなのかについて、特にビットコイナーの皆様に向けてお届けしたい。 $TITAN $IRON
— IBCに喝采をあげるCosmonaut (@YasumasaKuwada) June 15, 2021
もともと法定通貨、特にUSドルは、経済情勢により新規発行がされ、無尽蔵に価値の希釈(価値の下落)がおこります。つまり、今日持ってる1ドルは市場にお金がばら撒かれたことにより、実質的に0.5ドルの価値になったりします。
一方、ビットコインは「発行上限枚数」という天井があるので、価値が希釈されません。そして、IRONは、USドルを限りなく希釈をしていって、代替トークンになろうとしている、という構図です。
この視点をもつと、仮想通貨という存在が、目減りするドルに対抗する新たな価値保存の方法となりうる、という発想ができます。
テクノロジーによって、税や法が変わるように規制の対象となることはまぬがれないでしょう。しかし、よりよい選択肢のひとつに仮想通貨が選べるように知識だけは身につけておきたい、と感じる興味深い現象ですよね。
Aaveを使って手持ちBTCを売らずにUSDCを手に入れる方法

aave.comよりキャプション
ビットコインを投資対象としている方は、この方法が有効です。ETHでも同じことができると思います。
この作業の大まかな流れ
- BSCからBTCBをBUSDに利確
- WBTCBをUSDCに交換
- USDCでWBTCを購入
- AaveでWBTCを預入
- AaveでWBTCを担保にUSDCを借り入れ
- 借り入れしたUSDCをUSDC/IRONのLPペアにする
- IRON Financeでファーミングする
- TITANはUSDCに利確し、WBTCを購入
- AaveのWBTCに預入に組み入れ
- AaveでさらにUSDCを借り入れ
以下、6〜10をループします。
順を追って紹介します。
Aaveを組み合わせるメリット
- BTCを売る必要がない
- BTCを預けると利回りとしてWMTICが配布される
- USDCを借り入れた利息手数料よりも利回り収益がプラスなので実質損をしない
- WBTCへ元本組み入れすれば追加でUSDCを借りられる
それでは、具体的にAaveの使って、IRON Financeで複利運用するやり方をみていきましょう。
BSCからBTCBをBUSDに利確
BTCBをBUSDに交換しておきます。ブリッジの対象がBUSDのみだからです。
BSCから資金を移動させる方はこちらで紹介しています。かんたんですが、少し手数料がかかります。
BSCから資金を移動する必要がない方はスルーしてすすんでOKです。
WBUSDをUSDCに交換
WBUSDの形でPolygonに着金します。
QuickSwapでUSDCに交換しましょう。若干のプライスインパクトが許容できる方はスワップします。
USDCでWBTCを購入
USDCをWBTCに交換します。WBUSDから直接WBTCに交換しないのは、少しでもプライスインパクトを減らすためです。
ちなみにWBTCとは、Wrapped BTCの略で、ビットコインに価格が連動しているERC-20準拠のトークンです。かんたんにいうと、イーサリアムやPolygonでビットコインと同価値のものを扱いたいとき用のトークンです。
AaveでWBTCを預入
Aaveにアクセスします。日本語対応しているので、英語が苦手でも安心っぽいですね。
預入のメニューからWBTCを選択します。
預け入れる金額を入力して、MetaMaskの認証を行います。
ダッシュボードに反映されれば完了です。ダッシュボードの担保のところが「はい」になっていることを確認してください。
AaveでWBTCを担保にUSDCを借り入れ
借入のメニューからUSDCを選択します。
借入れする量を入力してクリック。借り入れる最大金額はDeposit額の7割程度に設定されています。
借入金額を入力して「Continue」をクリックします。
USDCがMetaMaskに着金していれば借入完了です。
最終的にダッシュボードを開くと、左側に預けているWBTC、右側に借りているUSDCの残高やAPYが確認できます。
返済や出金を行いたい場合は、この画面の「返済」、「出金」を選択して金額を入力すれば完了です。
借り入れしたUSDCをUSDC/IRONのLPペアにする
SushiSwapかQuickSwapの好きな方でLPを作成してください。
IRON>$1の場合で、TITANが手元にある方は、IRON FinanceでIRONをミントしてください。
IRON Financeでファーミングする
ファーミングしていきます。
APRでも700%を超えています…。
TITANはUSDCに利確し、WBTCを購入
ClaimしたTITANをUSDCに利確して、Aaveの預入に組み込むために、WBTCに交換します。
AaveのWBTCに預入に組み入れ
先ほどの方法と同様に預入を行います。借入可能額が増えます。
ちなみに、WBTCに対する利回りとWMATICの利回りという2つの利回りを受けることができます。
右上のWMATICのClaimをクリックして回収可能です。
WMATICはSushiSwapなどでMATICに交換可能できます。
AaveでさらにUSDCを借り入れ
借入可能額が増えたのでさらに、借り入れをしていきます。これ、たしかに借り入れ後の返済では、借りた分に利息をつけて返済するのでマイナスです。
しかし、借りているUSDCに対してWMATICの利回り収入が入るので実質プラスになることがあります。

返済利息よりも利回り報酬が上回る状況。(WMATIC込みの場合)
そのため、借入利息と担保額の著しい下落、これらを注意して運用すればマイナスだけの運用とはなりません。
Aaveというレンディングプラットフォームを挟むことで、さらに複利運用をすることができます。
IRON Financeの錬金術とAaveを活用した複利運用:まとめ
IRONの利回りが上昇している理由とAaveを活用したIRONでのUSDC/TITANのLPを複利運用する方法をみてきました。
IRON Financeのプロジェクトが起動になり、躍進を続けている現状までで、莫大な量のUSドルが生まれていることになります。FRBとは無関係に刷られ続ける状況を政府が恐れるのはもっともなので、規制が入る可能性は高いと思います。
2021/06/19 追記
USDCとの乖離、つまりTCRが0%に向かえば向かうほど、この規制の可能性は上がっていくでしょう。ただし、TCRが0→100%になってしまったとしても、理論上は、IRONはほぼ1:1でUSDCに交換できます。
TITANが暴落したとしても焦ってIRONを売る必要はない、これだけは覚えておきたいところです。
TITANの大量売却によるIRONの購入→USDCへの利確により、IRONが1ドルペグが外れる、という事態が発生しました。
