IronFinanceのV2がローンチされました!
本記事では、IronFinanceがリローンチされてから、どう変化したのか?これからどんな機能が実装されるのか?ということをまとめておきます。
本記事の内容
- TITANは補償されるのか
- IronFinanceはどのように変化したのか
- 新トークン$ICEのトークノミクス
- Iron Finance V2でファーミングを始める方法
本記事のオーサー

本記事では以下の公式のMediumを参考にしています。
https://ironfinance.medium.com/iron-finance-rebuilding-tokenomics-318756d12549
https://ironfinance.medium.com/ice-token-governance-staking-launch-6f79450621b4
以前のIron Finance、TITANの価格暴落についてはこちらの記事でまとめています。
目次
TITANは補償されるのか
TITANが大暴落したのは、記憶に新しい方もいるかと思います。結論としては「TITANの補償はあります」。
こちらの記事によると、以下のトークンホルダーを対象に、IronFinanceの「新トークンによる補償」が行われます。
Polygon:
- TITAN and TITAN LP holders
- IRON and IRON LP holders
Binance Smart Chain:
- STEEL and STEEL LP holders
- DND and DND LP holders
- dTokens LP holders
この表のうち新トークン発行枚数100億トークンのうち、29億トークン分がTITANの補償として利用されます。
補償はUSドルベースで換算され、ステークしていたトークン量に比例して分配されます。スナップショットの詳細は後日発表されます。補償の開始は8月予定。むこう3年間かけて補償される見込みのようです。
この3年の期間はコミュニティの投票により短くすることも可能です。リローンチが成功することを前提条件としている補償となります。
すでにIronの開発チームはTITANの所有権を放棄しており、TITANはTitanDAOコミュニティにより、管理されています。
そのためIron開発チームが「TITAN自体」を救済のために何か新たな仕組みを作るということはできません。
しかし、このDAOによればTITANのバーン戦略を掲げており、今の価格よりも上げていくことを計画してはいるようです…
TITANを売らないで持っていた方は、こちらのDAOの動向を注意しておくといいですよ。
IronFinanceはどのように変化したのか
以前までのIronFinanceにはなかったIronFinance V2(以下、IronV2)に出てきた新しい機能を紹介していきます。
主な新しい機能
- 新LPファーミング
- ステーブルスワップ
- レンディング
- 新ステーブルコイン
- ガバナンスステーキング
2021年7月現在では、新LPファーミング、ステーブルスワップのみ実装されています。
TITANトークンの代わりにTITANトークンV2として、「$ICE(アイス)」というトークンが新たに生まれました。ICEのトークノミクスについては後述します。
ここではさくっと、新機能の概要をみていきましょう。
ステーブルスワップ
IronV2に追加されたスワップはIronSwapといいます。
IronSwapは、ステーブルコイン(USDC,USDT,DAI)専用のAMMです。Curve.fiと同様に、発生した取引手数料はLP提供者へ還元されます。
IronSwapの取引手数料は0.01%であり、これはCurve.fiの0.04%よりも低い手数料です。
Curve手数料について詳しくはこちらの記事で紹介しておきました。
ステーブルコインの流動性の提供により、LPトークンをファーミングすることで$ICEを獲得することができます。IronFinanceローンチ後4週間はLPの引き出し手数料が0.05%発生して、徐々に0%になります。
これは、リローンチ後の安定した流動性を保つ目的があります。
ガバナンスステーキング
ガバナンスステーキングとは、ICEをロックすることで手に入る「BlueICE(ブルーアイス)」をステーキングすることができる機能です。
これにより「USDC建て」で報酬を受け取ることができます。ロックできる期間は7日〜最大3年ロックする期間があります。期間が長ければ長いほど、報酬利率は高くなるでしょう。
IronSwapの手数料0.01%は、いまのところBlueICEステーキングの報酬に分配されます。
また、FireBird Finance(FBF)によると、ICE-WETHを流動性プールを提供することでIronFinanceと協力し、FBFでのスワップ手数料の通常の75%がHOPE保有者に支払われる代わりに、35%がICEに、40%がFBFに、最後の25%が流動性提供者に支払われことになった、とのこと。
つまり、この35%分が、FBFからBlueICEステーキングのUSDC報酬に回る分になるということです。
BlueICEの早期引き出しによるデメリット
ロック期間(7日〜最大3年)中であっても、ICEの引き出しを行うことができますが、デポジットしたICEの30%が没収されます。
このICEはただちにバーンされます。
30%も没収されるのは結構大きいですね。ICEは発行上限枚数が決まっているトークンなので、バーンされる仕組みがプラスαで組み込まれているのは、悪くないことだと評価しています。
新しいトークン$ICEのトークノミクス
$ICEのトークノミクスをみていきましょう。TITANにかわる新たなIronFinanceの独自トークンです。
最大供給量は、100億ICEで3年以内に排出終了を予定しています。内訳は以下のとおりです。
新ステーブルコインの流動性インセンティブに多くのICEが割かれています。十分なインセンティブを用意しつつ、魅力的なステーブルコインの登場に期待してしまいますね。
新ステーブルコインは8月上旬の実装予定です。
前述のとおり、TITAN(その他のトークンも含む)ホルダーへの補償枠のICEも予定されています。
ファームをみてみると、FireBirdやDyfnとの流動性供給を受け入れをしており、HOPEやDFYNが流動性マイニングできるプールを用意しています。
ICEの売り圧を下げる要素を散りばめていると評価することができます。
Iron FinanceV2でファーミングを始める方法
ここからは、IronV2でファーミングを始める方法をかんたんに紹介します。
Polygonブロックチェーンを利用するのが初めての方は、こちらの記事を参考にBSCからの移行や、MetaMaskのネットワーク接続を行ってください。
まずは、IronV2にアクセスしましょう。
以前のURLとは変わっていますので注意ですね。
ステーブルコインのLPによるファーミングを行う場合は「Swap」→「Pool」を選択して流動性供給を行ってください。
今回は、ICE-USDCでファーミングを始める方法を詳しく紹介します。リスクを押さえるためにICEの購入を避けたい方は、上記のステーブルコインのファーミングを利用してください。
ステーブルコインのファーミングは以下の画像のとおり。ICE-USDCのペアはAPY「∞」と出ています。
まずは、ICEを入手しましょう。ファーミングしたい資金をUSDCで用意します。
DfynでUSDCの半分ICEに交換します。
「Pool」メニューで、ICE-USDCのLPペアを作成します。
ICE-USDCトークンが用意できたらIronV2に戻ります。
Farmメニューから、IronV2のICE-USDCファームを選択します。
LPトークンの量を選択してDepositをクリック。
以上です。しばらくは高APYが続きそうですね。
Iron Finance V2リローンチ:まとめ
Iron Financeのリローンチ情報をまとめました。
2021年8月以降に実装予定の機能が出揃うので、その時が真価を見極める時期かもしれません。
ICEの価格はリローンチ直後の高騰を経て、現在は下落しています。今後、ICEがどのように市場から評価されるかは、今後ローンチ予定のレンディングやステーブルコインの性能に関わるでしょう。
公式の情報を追っていく限りではTITAN(その他のトークンも含む)ホルダーへの補償枠のICEも予定されています。このことからも、今度のIronV2は、中長期的なトークノミクスを前提として、堅実な仕組みを目指している印象があります。
今後も情報を追っていきたいと思います。
