
こうした悩みにお答えします。
仮想通貨に興味をもってはじめてみたはいいが、納めないといけない税金のことまで気が回らないことってありますよね。
本記事では、仮想通貨をはじめたけど税金の知識がない!という方むけに基本的な知識をまとめていきます。
本記事の内容
- 仮想通貨で確定申告が必要な所得額とは
- 仮想通貨の所得発生のタイミングと確定申告の意義
- 仮想通貨に関わる所得税と住民税の基本
- 実際どうやって計算して申告すればいいのか
こうしたことをまとめていきます。税金の計算やルールはむずかしいので暗記する必要はありません。
やり方を雰囲気だけでもおさえておき、いざ確定申告が必要になった時に困らないように準備だけはしておく必要が全員にあります!
なお、ぼくは税理士資格を有しているわけではありませんので、あくまで参考程度として、実際の確定申告や計算にあたっては専門家の情報をもとに手続きを行う必要があります。
非税理士の人が禁止されているのは、税務代理(法第2条第1項第1号)、税務書類の作成(法第2条第1項第2号)、税務相談(法第2条第1項3号)です。この記事は、これらに抵触するような行為を行うものではありません。
目次
仮想通貨で確定申告が必要な所得額とは
仮想通貨の確定申告
仮想通貨投資では20万円以上の所得が発生した場合、確定申告の必要があります。
用語
- 所得とは、収入からその他控除すべき金額を控除して残った額のことです。
- 確定申告とは、1月から12月に発生した収入と必要経費を申告して、払うべき税金の金額を計算してもらうための制度です。毎年、2月から3月ごろまでに申告を済ませることが必要です。
もし仮想通貨で1月〜12月の期間に20万円以上の所得がなければ、確定申告を行う必要はありません。
株式投資などは証券会社を通して確定申告をしてくれる特定口座が基本的にはないので、自分で行わなければいけないのです。
仮想通貨にかかる税金
仮想通貨の収入は「雑所得」という分類の所得とされています。フリマで転売した利益やアフィリエイト収入と同じです。
仮想通貨での所得 + アフィリエイト所得 > 20万円
となれば、ぼくのような仮想通貨をやりつつ、ブログ運営をしているひとは、確定申告を行う必要が出てくるわけですね。
雑所得の特徴
- 総合課税
- 累進課税
- 損失繰越なし
- 他利益との相殺禁止
ということになります。
総合課税は給与所得と合算されて所得税が計算される、という意味です。合算して確定申告が必要になる、ならない、というわけではないところがポイントです。給与所得と雑所得を合算したらほぼ全員が確定申告の必要がでてしまいます。あくまで所得税の計算の時だけの話です。
累進課税は説明不要ですよね。所得額が大きければ多いほど、税金を納める金額が大きくなります。以下の表を参考にしてみるとわかりやすいです。
年収700万円くらいの所得金額が社会保険料などを差し引いて、500万円くらいだとして、仮想通貨の所得が200万円だったとしたら、課税される所得は500+200=700万円となります。(総合課税)

国税庁HPより引用
上の表をみると、適用される税率は、23%で、控除金額は636,000円ということです。
7,000,000 ー 636,000 = 6,364,000
6,364,000(所得) × 23%(税率) = 1,463,720
払うべき所得税は約140万円であったということになり、サラリーマンであれば源泉徴収されていた金額と比較して、不足分を納税することになるわけですね。
損失繰越しがない、というのは株式投資などは損失をだしても3年間は繰り越して損失として発生した損失から控除することができます。仮想通貨ではこれができません。理由はなぞです。
他利益との相殺禁止も言葉通りですね。仮想通貨で損失が発生していたとしても、損失を計上して所得を低くすることができません。
参考記事
仮想通貨の所得発生のタイミングと確定申告の意義
ここまでの説明で少し面倒になってきている気持ちはわかります。しかし、これだけは、押さえておいた方がいいことをまとめます。
それは、仮想通貨の所得発生のタイミングです。どのような時に所得が発生するのかさえ、理解していればこわくないです。
仮想通貨の所得(損失)発生タイミング
- 仮想通貨を売却した時
- 仮想通貨同士の交換を行った時
- DeFiのファーミングやステーキングで仮想通貨を取得した時
実はもっとほかにもたくさんあります。しかし、ありすぎて混乱するので絞りました。
詳しい計算方法は、国税庁のFAQで示されていますので参考にしてください。以下のリンクには、
- 仮想通貨の所得税計算シート
- 申告手順のイメージ図
- 仮想通貨の税務上の取り扱いFAQ
をみることができます。国の資料なので目を通しておくのは必須だと思います。全部を隈なくみる必要はありませんが概要はつかんでおくべきです。
確定申告を行っておかないと、追徴された時の罰則加算がありますので、申告しないという選択肢は日本にいる限りできません。
仮想通貨に関わる所得税と住民税の基本
住民税についてかんたんにまとめておきます。
それぞれおおまかにどう計算されるのか、仮想通貨投資をするならどう関わってくるのか、を押さえておきましょう。
所得税の計算方法
- 課税所得金額を計算する
- 税率と控除額を計算する
- 所得に税率と控除額を差し引いて所得税を計算する
住民税の計算方法
- 均等割の金額を計算する
- 所得割の金額を計算する
住民税は、税務署にあなたが所得税の確定申告をしたデータが市区町村に送られ、お住まいの市区町村が計算を行います。なので、住民税のためだけに申告を行う必要は原則ありません。

国税庁HPより引用
ただし、会社に給与以外の所得を知られたくない場合には、自分で納付する方法を取る必要があります。
会社に給与以外の所得を知られないための方法
会社に給与所得以外の副業による所得を知られたくない場合には、確定申告書第二表の「住民税・事業税に関する事項」の「給与所得以外の住民税の徴収方法の選択」の「自分で納付(普通徴収)」にチェックすると納付書が送られてきます。その納付書で、自分で税金を納める。
ただし、これも完全ではありません。税理士、税務署、市区町村への確認を行ってください。すべて自己責任となりますのでご注意ください。
実際どうやって計算して申告すればいいのか
実際に計算していくにはどうしていけばいいかステップを順に紹介していきます。
- その①:国税庁で紹介されている計算シートを活用
- その②:仮想通貨を売却したときの所得を計算する
- その③:仮想通貨同士の交換を行ったときの所得を計算する
- その④:DeFiファーミング・ステイクによる仮想通貨取得を記録
- その⑤:確定申告書類を作成する
その①:国税庁で紹介されている計算シートを活用
こちらのシートを活用してください。
こちらは総平均法での計算シートです。
その②:仮想通貨を売却したときの所得を計算する
計算例をもとに自分のポートフォリオで試してみてください。
計算式(ビットコインの場合)
売却価格 ー(1BTCあたりの価格×売却量)= 所得金額
例
4月1日に10万円で0.1BTC(1BTC=100万円)を購入して、5月1日に0.02BTCを2万1000円で売却したとき
2万1000円−(100万円×0.02BTC)= 1000円
このときの所得は1,000円ということですね。売却額からその仮想通貨の原価との差額を計算することで導いています。
その③:仮想通貨同士の交換を行ったときの所得を計算する
計算式(ビットコインでイーサリアムを購入する場合)
ETHの購入価額(=BTCの売却価額)−(1BTCあたりの価額×支払った数量)= 所得金額
4月1日に10万円で0.1BTC(1BTC=100万円)を購入して、10月1日に4ETH(1ETH=2万円)を購入する際の決済に0.1BTCを支払った。
(2万円×4ETH)−(100万円×0.1BTC)= −2万円
所得金額はマイナス2万円の損失ということになります。イーサリアムの購入金額からビットコインの原価を差し引いて計算しています。
その④:DeFiファーミング・ステイクによる仮想通貨取得を記録
2021年5月現在、国税庁はDeFiの利息収入などに対する明確なルールを示していません。
株式などの利息収入と同様の取り扱いに準じて計算していく方法がいいのではないか、と言われています。
以下の情報をまとめてExcelシートにまとめてくことが有効です。
ファーミングによる利息収入を記録するポイント
- 取得日時
- 取得理由
- 投入した仮想通貨の名前
- 投入した仮想通貨の量
- 取得時の仮想通貨の単価
- 取得に要した手数料
これらをまとめておき、1年間分をまとめておく必要があるでしょう。
LPペアトークンをファーミングして、取り出し際に数量が変わっていた際の処理については以下のとおりまとめておく必要があります。
パンケーキスワップのCAKE-BNBペアをファーミングしていた場合
投入した時点のLPペアの内訳
CAKE:10枚
BNB:10枚
引き出した際のLP内訳
CAKE:15枚
BNB:5枚
この場合、CAKEはプラス5枚を利息収入で得た。BNBは5枚売却した、と仮定して損益計算していきます。
参考記事
https://www.cryptact.com/journal/columu20201211
その⑤:確定申告書類を作成する
こちらではシンプルに確定申告に必要なリンクをまとめておきます。
コインチェックなど日本の仮想通貨取引所では、取引履歴(CSV)のダウンロードができます。
CSVは取引履歴を一気に抽出して、Excelに落とし込みやすいのでおすすめです。
コインチェック取引履歴の取得方法
仮想通貨の過去レートの確認方法
確定申告にあたって必要なリンク集
給与所得者(サラリーマン)の方について知りたい方
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/shoto306.htm
給与所得者と電子申告(e-tax)を利用した確定申告について知りたい方
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1904.htm
e-tax公式HP
国税庁 確定申告作成フォーム
仮想通貨の税金について:まとめ

国税庁HPより引用
上の画像は仮想通貨の確定申告のイメージ図です。
なるべくわずらわしい確定申告とならないためには「シンプルな仮想通貨運用」が必要になります。
頻繁に取引すると、所得が追いきれなくなり申告をする際に苦しんでしまいます。
ぼくがおすすめなのは、DeFiでの運用もなしではないのですが、日本の仮想通貨取引所が実施している「定期積み立て」です。
ドルコスト平均法で購入していけること、確定申告の際に楽であること、といったメリットがあります。
脱税扱いされないための防衛策的な意味でも、ビットコインやイーサリアムといった長期投資をしているのであれば、リスクの低いところで積立してくことが、現状最も安全な仮想通貨の資産形成のひとつです。
DeFiで資金を抜かれてしまったり、暴落したり、確定申告が煩雑になったり、というデメリットを解消してくれます。
投資金額すべてを定額積立に回す必要はありません。一部定額にまわして、残りはDeFiで活用していけばいいのです。
仮想通貨の口座開設方法を詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてみてください。
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