みなさんは、著作権のことを考えたことがありますか?
簡単に言いと、他人が作った画像や動画等の素材を無断で自分のブログ等に載せることは、
著作権の侵害にあたるということは、何となくイメージがわきますよね。
とはいえ、著作物と著作物ではないものの区別ってよくわからない...
今回は、インターネット上の情報に関わる著作権に焦点をあてながら、まとめていきたいと思います。
・著作権を侵害せずに利用する方法は?
このような悩みにお答えします。
この記事を読んだ方は、以下のことが理解できます。
・インターネット上の情報を適切に利用する基礎知識が分かる
この記事を読むと、読者のミライに以下のような変化を起こすきっかけとなります。
・SNSなどの身近な生活の場面で、リテラシをもって行動できる

この記事を書いているわたしも、著作権について基本的な知識を分かっていませんでした。
まったくの前提知識なしでも分かりやすいように、初心者向けにまとめましたので、参考にしていただければと思います。
著作権ってどういうもの?
著作権の基礎知識
著作権の定義は、日本の法律である「著作権法」に定められています。が、ここで法律の文言をそのまま引用しても、すごくわかりにくいので、具体的には以下のとおり理解してみましょう。
著作権とは、自分の著作物を他人に勝手に使わせないように言える権利と言われています。
思いや感情を創作的に表現したもの。たとえば、小説、音楽や動画、美術、図形、写真、プログラム(システム)などがその具体例です。
なんとなくイメージが湧きますね。
そうだとすると、創作物とは何か、という疑問が浮かぶと思います。
しかし、これは哲学的な問いに迷い込んでしまいます。裁判でも何が創作物か否かで争われるほど難しいので省略してしまいます。
ここでは、逆に著作物に当たらないものを理解しておけば、理解が深まります。
・ありふれた表現(慣用句や定型文)
・すでに発表された事実やデータ(天気予報や交通事故情報)
このあたりは、創作物とは言えない、というのが一般的です。
著作権はどんな権利か?
著作物がどんなものかイメージがついたところで、著作権がどんな効果を及ぼすのかについて見ていきましょう。
著作権とは、この記事の冒頭で自分の著作物を他人に勝手に使わせないように言える権利と言われてると説明しました。
つまり、著作物を作った人の権利を守り、創作活動をもっと続けることができるようにして、世の中をより良くしていくためにあります。
映画館のCMでNOMORE映画泥棒の映像を見たことがありますか?
まさに、ああいうことを言っています。
自分の作ったものが勝手にコピーされて自分のものと同じ値段で売られてしまっていたら、オリジナルを買ってもらえず損をしてしまいますよね。
これらの侵害から創作者(クリエイター)を守るためにあるのが著作権です。
著作権侵害の日本での法定刑は、「最高で懲役10年以上又は1,000万円以下の罰金、あるいはその両方」となっています。
これは、どれくらい重いかというと、大麻取締法で規制されているマリファナを売ることよりも重いとのこと。けっこう重いんだな、という印象です。
日本では著作権侵害は原則は親告罪ですので、侵害された人→侵害した人に裁判を起こす必要があります。コピーしたらすぐ著作権侵害になるわけではないので注意しましょう。
(2016年の法改正により一部非親告罪となっています。)
著作権に関する注意点をかんたんに解説
ここまでのお話は、他人のどんな創作物をコピーしたらダメなのかという話をまとめました。
ここからは、どんなものであればコピーしてもよいのかを考えていきましょう。
私的コピー利用
個人の範囲内で、本人がコピーして楽しむのはOKです。写真や録音、録画などを観賞するのは、この範囲であれば例外的に認められています。
(あくまで例外的にという所がポイントです)コピー元は友達から借りても、レンタルでもOK。
ブログやYouTubeで他人の著作物を全部または一部を公開したりすることは、私的コピーには当たらず、著作権の侵害になってしまうので注意しましょう。
またネット上には、たくさんの情報があり違法アップロードが適法なものか区別がつかない面もありますので、入手経路は注意しましょう。
正しい引用方法
教育目的での引用や、出典を明記して、公表済みの物を、自分の作品と区別して引用することはOKです。
授業の範囲内に限定されていますが、学校での学習目的でコピーして配布するのは認められています。ただし、参考書やドリルといった出版物は購入する必要があります。
誰かが書いた文章を丸々コピーしてブログの記事にコピペしたり、それが引用元や出典があきらかではなく、自分の文章のように扱って公表するのは、著作権の侵害にあたるでしょう。
ネットで相手と自分を守る著作権の正しい認識と活用方法
ソーシャルメディアを使う時には気を付けておきたいこと
TwitterのツイートやYouTubeの動画を引用したりするにあたって、
注意しておきたいことを確認しておきましょう。
上記の引用のルールとそれぞれのサービスには利用規約があり、
これに違反しない限りは引用して使うことができます。
このあたりは、プライバシーの権利とも重なりますのでとても重要ですね。
以下で詳しく解説していきますね。
ダメな例(著作権侵害になる)は、漫画やアニメの一部分を無断でアップして公表したりすることです。当然ですよね。漫画が売れなくなっちゃいます。
また、友達や知人などの顔写真や動画を勝手にアップロードするのはやめておきましょう。
もし顔やプライベートな瞬間の写真や動画などをSNSで投稿する場合は相手方にOKをもらいましょうね。
共有されることが前提のものなどは、許可を得る必要はないというのが一般的です。
また、Twitterのツイートは利用規約により転載自由になっていますので、テレビやネット、オンライン商品の口コミなどに無断で利用されています。
これは、Twitterの利用規約で了承してアカウントを作成しているからです。この点を注意してつぶやきをするといいですね。
Twitter社のプライバシーポリシー及び利用規約はこちらから
クリエイターと情報化社会の関係
著作権は、創作者(クリエイター)の著作物から得られる利益を守るという役割がありますよね。つまり、海賊版がたくさん出回ってしまうと、オリジナル版を買う人が減ってしまう、という話です。
一方では、情報化社会においては、著作物の一部が公開されることで、売上につながる事例も増えてきました。ネットを通して、より多くの層に情報が届くためですね。
この議論は、まだ解決しておらず、ビジネスモデルやルールの変化が必要な状況にあるかも知れませんよね。
わたしは、誰でも情報を発信する側になれるようになった今の社会においては、著作権侵害を完全に防ぐことは実際的な問題として難しいと思います。
それなら、クリエイターの利益を確保しつつ、より多くの情報をユーザーが発信できる状態にしていくことを目指す方がより、社会の構造にフィットしているのではないかと感じています。
(もちろん従来通り、著作権法などの知的財産権を守る体制を確保する方法は必要だと思います)
有料のnote(電子書籍)や独自のプラットフォームで収益を確保している方が増えているので、クリエイターの意思で著作物を公共利用する、しないを選べるような環境があれば、クリエイターの利益と情報流通の均衡が保てるのではないか、と思います。
著作権の基礎知識:まとめ
著作権の基本的なイメージをつかむことはできましたでしょうか。
言葉が難しいので、取っつきにくい部分があったかもしれませんが、基本的には、自分の作ったものを他人に勝手に使わせない、というざっくりとしたイメージでOKです。
また、SNSにおいては、著作権に加えてプライバシーも関わってくることや使い方の注意点をまとめました。
・漫画や映画などの一部をそのままアップするのはダメ
・友人や知人の顔やプライベートの写真や動画をアップするときは許可をとる
・SNSの投稿は利用規約で無断転載可能となっている
このあたりに気を付けて利用していきましょう。
著作権を身近な問題として考えて、自分と相手の利益を守り、クリエイターが世の中に素敵なものがたくさん作れるような社会になるといいですよね。
そんな社会にむかって、正しい知識を持ってミライに変化を与えていきましょう。
今回の記事は、福井健策さん著の『18歳からの著作権入門』(筑摩書房 2015年)を読み勉強した知識をもとに作成いたしました。
もっと、詳しい知識を深めたい方は、ぜひご覧いただきたいと思います。